静岡地方裁判所 昭和37年(ヒ)16号 決定 1962年10月02日
申請人 山崎産業有限会社
主文
申請人会社の社員数を一二三名とすることを認可する。
理由
申請人会社は社員数四九名の有限会社であるが同社の姉妹会社である山崎工業株式会社(以下申請外会社と略称する)は申請会社が創立した当時から今日に到るまで社業の拡大に伴い増資の必要あるときは申請外会社の永年勤続社員に対し功労株として、その持株を贈与し、従業員以外の第三者より社員を求めることは、同社の目的からしても不適当であるし、且つ人的結合を破壊するおそれあることをはかつて従来よりこの方針に従い増資してきたものである。
昭和三七年四月一日、申請外会社の代表取締役でもある申請人会社代表者山崎順造は申請外会社の従業員総会において、その従業員中三年以上勤続した者に対して賞与として申請人会社の出資株を与える旨通達した。
右通達によつて、出資株を与えられる有資格者は七四名となり法定の社員数を超過することになるので本申請に及ぶとのべ且つこの事実を疏明した。
よつて審理するに山崎産業有限会社定款、昭和三七年四月一日開催の山崎工業株式会社従業員総会々議録、によつて認めることができるので申請人の本件申請は理由があるからこれを認容し、主文のとおり決定する。
(裁判官 三関幸太郎)